アルデオ四重奏団(フランス)

アルデオ四重奏団 (Quatuor Ardeo — String Quartet)

今後の来日予定・・・2020年5月(LFJ⇒新型コロナで中止)、2021年5月

【メンバー】
梁 美沙(Mi-sa Yang、ヴァイオリン)
キャロル・プティドゥマンジュ(Carole Petitdemange、ヴァイオリン)
原 裕子(Yuko Hara、ヴィオラ)
ジョエル・マルティネス(Joëlle Martinez、チェロ)

「アルデオ」(ラテン語で私は燃えるの意)とは、この弦楽四重奏団の名前であり、この四人の女性奏者が音楽に取り組む姿勢であり、彼女たちの成功を物語るものである。2001年にパリ国立高等音楽院にて結成され、今日のフランスの音楽シーンを代表する存在となっている。

ボルドー、モスクワ、ボローニャのパオロ・ボルチアーニ、メルボルンなどの数々の国際コンクールでの入賞は、彼女たちの意欲、強い連体感と調和によって作り上げられた音楽性に裏付けられたものであり、この弦楽四重奏団がヨーロッパのホールや音楽祭(例えば、パリのブッフ・ド・ノール劇場、バスティーユのオーディトリウム、スペインのサンタンデール音楽祭、フィンランドのクフモ音楽祭、スイスのジュネーヴの夏音楽祭、ダボス音楽祭、バーゼルのシュタット・カジノ、オーストリアのロッケンハウス音楽祭、アッターゼー音楽祭、ドイツのベルリン・ラディアル・システム、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、ボンのベートーヴェン音楽祭、マセドニアのオーリッド音楽祭、イタリア・ヴェニスのパラツェット・ブル・ザーネなど・・・)でキャリアを築く礎となった。

ECHOによる「ライジング・スターズ」に選出された際にはヨーロッパ主要ホールに於けるツアーが組まれ、パリのフィルハーモニー、ケルンのフィルハーモニー、ハンブルグのライスハレ、ドルトムントのコンツェルトハウス、バーデン=バーデンの音楽祭ホール、ウィーンのコンツェルトハウス、ルクセンブルクのフィルハーモニー、アムステルダムのコンセルトヘボウ、ブリュッセルのボザール、ストックホルムのコンサートハウス、アテネのメガロン、バルセロナのオーディトリウム、ポルトのカーサ・ダ・ムジカ、リスボンのカロウステ・グルベキアン美術館、ブダペストの芸術宮殿、ロンドンのバービカンセンター、バーミンガムの市民ホールで演奏した。

ハーゲン・クァルテットのライナー・シュミット、フェレンス・ラドシュ、エベルハルト・フェルツに学び、作曲家のカイア・サーリアホ、パスカル・デュサパン、フランソワ・メイムン、フィリップ・シェラーらの薫陶を受けている。ピアニストのダヴィド・カドゥシュとノアム・グリーンベルク、クラリネット奏者のレト・ビエリとは数多く共演している。

2007年に発売されたデビューCDは、ケクラン作曲の第一・第二弦楽四重奏曲が世界で初めて収録されたものである。ピアニストのダヴィド・カドゥシュとの共演では、2010年にトランサール・ライブからショスタコーヴィチ、2011年にデッカからシューマンのピアノ五重奏曲をリリース。2014年には、イタリア・ヴェニスのパラツェット・ブル・ザーネによる支援でアントン・レイハの三作品を世界初録音、アンプラント・ディジタルから発売された。 2018年には、フランスの若き現代作曲家、フランソワ・メイムンの編曲によるJ.S.バッハのゴルトベルク変奏曲弦楽四重奏版をリリース、欧州各国で高く評価され、日本仕様のCDも2018年10月に発売。

Webpage(English)
http://arts-scene.be/en/asd-artistes-biographie-Quatuor-Ardeo

【メンバー略歴】

 

梁 美沙(Mi-sa Yang、ヴァイオリン)

大阪生まれ、相愛高等学校で工藤千博、小栗まち絵に師事。12歳でオーケストラデビューを果たし、13歳で ユーディ・メニューイン国際コンクール・ジュニア部門で第1位。翌年には 第1回仙台国際音楽コンクールで第3位。その後奨学金を得てパリ国立高等音楽院に留学、ジャン=ジャック・カントロフ、オリヴィエ・シャルリエに師事。21歳でヨーロッパでもソリストデビュー。これまでにソリストとして多くの有名なアンサンブルと共演。スーク室内管弦楽団、ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズ、仙台フィル、東京交響楽団、新日本フィル、大阪交響楽団、京都交響楽団、関西フィル、日本センチュリー響など。彼女の力強さと繊細さ個性的に融合させた解釈はメディアや批評家から高く評価されている。

室内楽奏者としては、マリアカナルス国際音楽コンクールにピアノトリオで挑み第1位を獲得。アルデオ四重奏団と並行して、ピアノのアダム・ラルームとチェロのヴィクトル・ジュリアン=ラファリエールと共にトリオ・レ・ゼスプリを結成、こちらも精力的に活動している。2014年からアルデオ四重奏団のメンバー。

キャロル・プティドゥマンジュ(Carole Petitdemange、ヴァイオリン)

パリ国立高等音楽院でJ.J.カントロフに師事、またマドリッド音楽院でハーゲン弦楽四重奏団のライナー・シュミットの薫陶を得た。彼女はアルデオ四重奏団結成前から様々な編成の室内楽グループで演奏し、コンクールで数々の賞を受賞している。P.L.エマールから教えを受けた彼女は現代音楽にも非常に関心があり、ジョナサン・ハーベイ、エディト・カナート・デ・チジ、カイヤ・サーリアホ などの作曲家との緊密なコラボレーションに取り組んでいる。現在、マドリッド王立音楽院とサラゴサ音楽院で教鞭も取る。

原 裕子(Yuko Hara、ヴィオラ)

ニューヨーク生まれ。東京藝術大学附属高校を経て、 同大学を同声会賞を得て卒業。菅沼準二、川崎和憲各氏に師事。 スイスにてジュネーヴで今井信子氏、バーゼルでライナー・ シュミット氏(ハーゲン・クァルテット)に学び、 両音楽院修士課程修了。

第9回ライオネル・ターティス国際音楽コンクールで特別賞、第5回東京音楽コンクール弦楽部門第二位。ソリス トとして日本フィル、芸大フィルと共演。ステラ・クァルテット(2003~2009年)、ウェールズ弦楽四重奏団(2009~2012年)のメンバーとして、大阪国際室内楽コンクール第三位、青山音楽賞バロックザール賞受賞など。

フィルハーモニア・ チューリッヒ(チューリッヒ歌劇場オーケストラ)とドイツ・ カンマーフィル・ブレーメンにてアカデミー生として研修を積み、現在も演奏に加わるほか、シュヴェッツィンゲン音楽祭宮廷音楽アカデミーやチューリッヒのラ・シンティラ、フライブルク・バロックオーケストラへの参加など、古楽器での演奏にも力を入れている。

2016年よりアルデオ弦楽四重奏団のメンバー。

ジョエル・マルティネス(Joëlle Martinez、チェロ)

トゥールーズ音楽院とパリ国立高等音楽院でR.ピドゥー、P.ミュラー、X.フィリップのクラスで学んだ。室内楽は彼女の音楽活動の中心であり、アルデオ四重奏団の創設メンバーのひとり。カルテットでは、マドリード音楽院でハーゲンカルテットのR.シュミット、バーゼルでW.レヴィン、ザルツブルグモーツァルテウムでのハーゲンカルテットの指導を受けた。

トゥールーズ・キャピトル・ナショナル管、パリ室内管、ディソノンシャン室内管などいくつかの有名なオーケストラに参加。またマルク・ミンコフスキ率いるグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊に招かれ、ケルンとドルトムントでソリストとして出演。

紹介動画(2017年1月)

Beethoven String Quartet No.9 in C Major, Op.59-3 Finale(2017年2月)

Schubert String Quartet No.13 in A Minor, D.804 “Rosamunde” 1st mov.(2017年3月)