トリオ・ヴァンダラー(フランス)

トリオ・ヴァンダラー Trio Wanderer

来日歴(新しい順)・・・2018年6月、2016年6月
今後の予定・・・2021年6月

【メンバー】
ジャン=マルク・フィリップ=ヴァルジャベディアン(ヴァイオリン)
ラファエル・ピドゥ(チェロ)
ヴァンサン・コック(ピアノ)   

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このトリオは、1987年にパリ音楽院時代に結成され、2017年には結成30周年を迎えた。相互の信頼感が非常に高く、常にトリオによる演奏活動を最優先にしている。卓越した演奏技術、音創りにおける非常に繊細な感性、そしてまるでテレパシーのような相互のコミュニケーションに裏付けされたアンサンブル力によって高い評価を得ており、世界有数の室内アンサンブルのひとつに数えられている。

パリ国立高等音楽院で室内楽プリミエ・プリ(一等賞)を受賞したのち、1987年から1991年にかけてジャン=クロード·ペヌティエ、ジャン·ユボー、ヤーノシュ・シュタルケル、メナハム·プレスラー(ボーザール・トリオ)、およびアマデウス四重奏団などの巨匠達から学ぶ。

1988年にはミュンヘン国際コンクール優勝、1990年にはフィッシュオフ 室内楽コンクール(アメリカ・インディアナ州)でも優勝を飾る。このように、フランスで教育を受けた後、全員がアメリカでのキャリアも積んでいる。そのことが単にフランス系の演奏団体というにとどまらず、ドイツ・オーストリア系のレパートリーやチャイコフスキーなどにグローバルな感性を垣間見せ、彼らの創る音楽に普遍的な価値を与え続けている。

音楽誌ストラッドから「ヴァンダラー星」と呼ばれ、世界の最も権威のある様々なホールで演奏してきている。ベルリンフィルハーモニー、パリのシャンゼリゼ劇場、ロンドンのウィグモアホール、ミラノのスカラ座、バルセロナのパラウ·デ·ラ·ムジカ、ワシントンの議会図書館、リオデジャネイロの市立劇場、チューリッヒのトーンハレ、アムステルダムのコンセルトヘボウなどである。また、エジンバラ、モントルー、フェルトキルヒ、シュレースヴィヒ・ホルシュタイン、ラインガウ、コルマール、ラ·ロック・ダンテロン、ラ・フォル・ジュルネ(ナントおよび東京)、グラナダ、ストレーザ、大阪などの主要な音楽祭にも出演。

2002年8月のザルツブルク音楽祭デビューでは、批評家から「凱旋成功」として賞賛され、2004年と2006年には再演を果たす。

ソニー・クラシカルから2枚のCDをリリースした後、トリオ・ヴァンダラーは1999年にハルモニア・ムンディとの契約を行ない、以来シューベルト、ベートーヴェン(ピアノトリオ全集)、ブラームス、ハイドン、メンデルスゾーン、ラヴェル、サンサーンス、ショスタコーヴィチ、スメタナなど多数の録音がリリースされた。さらに共演者を得てフォーレのピアノ四重奏曲、シューベルトの「鱒」五重奏曲、メシアンの「世の終わりの為の四重奏曲」、さらにジェイムズ・コンロン指揮ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団との共演で、ベートーヴェンのヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲 ハ長調 Op. 56も録音。

2016年6月来日時の来日記念盤「ベートーヴェン ピアノ三重奏曲全集」はレコード芸術誌2016年9月号にて特選盤に選ばれました。

Webpage (English, with music) — http://www.triowanderer.fr/?lang=en

ヴァンサン・コック(ピアノ) Vincent Coq (Piano)

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7歳でピアノを学び始め18歳でパリ国立高等音楽院に入学、1985年にはプリミエ・プリ(一等賞)を受賞。その後ドミニク・メルレの指導の下で学び続けた。1984年にジュヌヴィエーヴ・ジョイ=デュティユーのクラスで室内楽のプリミエ・プリを獲得し、その後ジャン=クロード・ペヌティエのクラスで室内楽のスキルに磨きを掛けた。ニキタ・マガロフ、ジョルジュ・シャンドール、レオン・フライシャーのマスタークラスに参加。1989年にはアメリカ・インディアナ大学ブルーミントン校に移ってジョルジュ・シェベークに師事した。現在ローザンヌ高等音楽院で教鞭も取る。2018年ミュンヘン国際コンクールピアノトリオ部門審査員。2020年5月開催の大阪国際室内楽コンクール&フェスタの審査員として来日予定。

ジャン=マルク・フィリップ=ヴァルジャベディアン(ヴァイオリン) Jean-Marc Phillips-Varjabédian (Violin)

 Photo-JeanMarc

パリで生まれ5歳でヴァイオリンを学び始める。パリ国立高等音楽院に入学し1984年に室内楽、1985年にはヴァイオリンでプリミエ・プリを受賞。ジェラール·プーレとジャン・クロード・ベルネードに師事したのち、クレモナ(イタリア)に移ってサルヴァトーレ·アッカルドに師事。その後、ニューヨークのジュリアード·スクールでドロシー・ディレイから1年間学び、カール·フレッシュ、ジノ・フランチェスカッティ、ロドルフォ・リピツァー、パームビーチなど多くの国際ヴァイオリン・コンクールに入賞。現在、パリ国立高等音楽院教授も務める。使用楽器は1748年製ガルネリ。

ラファエル・ピドゥ(チェロ) Raphaël Pidoux (Cello)

 Photo-Raphael

ピアノで音楽を始めた後、父親からチェロを学び、17歳でパリ国立高等音楽院に入学した。1987年にプリミエ・プリ(一等賞)を得たのち更にフィリップ·ミュラーのクラスに入学。その後室内楽をジャン=クロード·ペヌティエに、またバロック・チェロをクリストフ・コワンに師事。1989年にはアメリカ・インディアナ大学ブルーミントン校に移ってヤーノシュ・シュタルケルの指導の下で学ぶ。ライプチヒのバッハ・チェロ・コンクールで入賞。現在、パリ国立高等音楽院の教授も務める。使用楽器は1680年製ゴフレド・カッパ。